新型コロナに感染すると男性は女性より重症化しやすく、さらに死亡する確率が約1・4倍高いことが
報告されています。そこに関係しているのが「男性ホルモン」。一般的にはあまり知られていないかも
しれませんが、男性ホルモンの働きは多岐にわたり、男性の生命力を左右するといっても
過言ではありません。

大事なことは、健康な人と比べて、男性ホルモンの低い人が新型コロナに感染しやすく、また、重症に
なっていることがわかってきていることです。では、男性ホルモンとは−。リスクのあるコロナ禍とあって、
今こそしっかり知ってほしいと思います。

男性ホルモンにもいくつかあります。代表格は「テストステロン」。これは主に精巣でつくられます。
このほかに「ジヒドロテストステロン(DHT)」「デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)」「アンドロステロン」
「アンドロステンジオン」があります。男性ホルモンをわかりやすく言うと、「男性が男性らしく生きるための
ホルモン」ということになります。

テストステロンは思春期にドーンとあがることで、「ひげが生えてくる」「精巣が大きくなる」「勃起力が出る」
「筋肉がつく」「声変りをする」といった第2次成長が起こります。少年が大人の男になるのです。

このように、テストステロンは男性を形作りますが、そのほかにも「筋肉を作って保持する」「骨を作って
保持する」「血液を作って貧血を予防する」「内臓脂肪を減らして肥満を予防する」「動脈硬化を予防する」
「認知機能にも関与する」といった働きがあるのです。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)
https://www.nikkansports.com/general/news/202104030001460.html