「ぼくは射精ができない…」 多くの人が知らない「射精障害」、深刻な「性」活の“リアル”

「射精できなくて困っています」
その男性は、パートナーである奥様と一緒に来院されました。「勃起は
します。オナニーで射精することはできるのです。でも、彼女の膣の中
では射精することができません。治療することはできますか」、彼はそう
言いました。
私が勤務する病院の男性不妊症専門外来では、そんな患者が週に何人も
来院します。そして彼らには、特徴的なパターンがあります。

・勃起障害ではない
・1人でマスターベーションはできる
・パートナーとセックスをする際にのみ、射精することができない
・現在のパートナー以外にも、過去に一度も膣の中で射精したことがない

彼らは男性として、普通に生活はできてセックスもできます。しかし、
「膣の中で射精する」ことだけができないのです。(略)

調査の結果、膣内射精障害の原因の半数以上は「不適切なマスターベー
ション」であることがわかっています。代表的な不適切なマスターベー
ションとは、以下の3つを指します。

・手を使わずに、床などにペニスを押しつける方法。通称「床オナ」
・足にグッと力を入れて伸ばしていないと射精できない。通称「足ピン」
・膣の刺激ではないほど、ペニスを強く握る、もしくは早く動かして刺激
 する方法。通称「強グリップ」

日常的に膣の中へ挿入している状態とはかけ離れた刺激でマスターベー
ションをし続けた結果、膣の中の刺激では射精できなくなってしまいます。
ほとんどの膣内射精障害患者は、「膣では何も感じない」と訴えられます。
強い刺激のマスターベーションはとても危険なのです。
テンガヘルスケア社がアンケートを取った結果、若年者の約10%が不適切な
マスターベーションを日常的に行っていることがわかっています。(略)
つまり、将来の「射精障害予備軍」が若者の中にたくさんいる可能性がある
のです。病院を受診している射精障害の患者さんは本当に切羽詰まって受診
する人たちであり、氷山の一角でしかないと考えられます。未来の不妊症の
原因を防ぐためにも、正しいマスターベーション方法を広めていくことは
絶対的に必要です。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/81839