AMDがサーバ向けCPU「EPYC 7003シリーズ」を発表 Zen 3アーキテクチャでクロック当たりの性能を向上
3/16(火) 1:35
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ITmedia PC USER

 AMDは3月15日(米国東部時間)、サーバ/ワークステーション向けのCPU「EPYC(エピック) 7003シリーズ」(第3世代EPYC、開発コード名:Milan)を発表した。同日から出荷を開始する。

第3世代EPYCの概要

 第3世代EPYCは、デスクトップPCやノートPC向けのRyzen 5000シリーズ(ノートPC向けは一部を除く)と同様にZen 3アーキテクチャを採用したことが特徴だ。全てのモデル(SKU)がDDR4-3200メモリ(最大8TB)をサポートし、128レーンのPCI Express 4.0バスを用意している。CPUソケットは「Socket SP3」だ。

 前世代の「EPYC 7002シリーズ(第2世代EPYC)」と比較すると、IPC(クロック当たりの実行可能命令数)が最大で19%向上している。結果として、より高速な計算を求められるHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)用途はもちろん、サーバ上で稼働するアプリケーションや仮想マシン(VM)もより快適に使えるという。

 YouTubeでライブ中継された発表会では、先代の「EPYC 7002シリーズ(第2世代EPYC)」に加えて競合のIntelの「Xeonプロセッサ」との比較を多数交えつつ、その性能的優位性をアピールしていた。

モデル一覧

 第3世代EPYCは「スケーラビリティに優れる」ことが特徴で、コアの数、キャッシュの総容量、TDP(熱設計電力)が異なるモデルが多数用意されている。ラインアップは以下の通りだ(TDPは標準値、キャッシュ容量はL3キャッシュのものを記載)。

8コア16スレッド製品
・EPYC 72F3(3.7GHz〜4.1GHz、256MBキャッシュ、TDP 180W)

16コア32スレッド製品
・EPYC 7313(3GHz〜3.7GHz、128MBキャッシュ、TDP 155W)
・EPYC 7313P(3GHz〜3.7GHz、128MBキャッシュ、TDP 155W、シングルCPU用)
・EPYC 7343(3.2GHz〜3.9GHz、128MBキャッシュ、TDP 190W)
・EPYC 73F3(3.5GHz〜4GHz、256MBキャッシュ、TDP 240W)

24コア48スレッド製品
・EPYC 7413(2.65GHz〜3.6GHz、128MBキャッシュ、TDP 180W)
・EPYC 7443(2.85GHz〜4GHz、128MBキャッシュ、TDP 200W)
・EPYC 7443P(2.85GHz〜4GHz、128MBキャッシュ、TDP 200W、シングルCPU用)
・EPYC 74F3(3.2GHz〜4GHz、256MBキャッシュ、TDP 240W)

28コア56スレッド製品
・EPYC 7453(2.75GHz〜3.45GHz、64MBキャッシュ、TDP 225W)

32コア64スレッド製品
・EPYC 7513(2.6GHz〜3.65GHz、128MBキャッシュ、TDP 200W)
・EPYC 7543(2.8GHz〜3.7GHz、256MBキャッシュ、TDP 225W)
・EPYC 7543(2.8GHz〜3.7GHz、256MBキャッシュ、TDP 225W、シングルCPU用)
・EPYC 75F3(2.95GHz〜4GHz、256MBキャッシュ、TDP 280W)

48コア96スレッド製品
・EPYC 7643(2.3GHz〜3.6GHz、256MBキャッシュ、TDP 225W)

56コア112スレッド製品
・EPYC 7663(2GHz〜3.5GHz、256MBキャッシュ、TDP 240W)