喜田貞吉の結論ははっきりしている。 エミシは縄文時代からの列島の住人で、こんにちのアイヌと血脈を通じている。
DNAなど知らないまま、この結論をみちびきだした論理はつぎのようなものである。

>津軽の外が浜に近い頃まで残っていた蝦夷と、今の北海道のアイヌとが、
>同一系統の民族であったことには、いろいろの証拠があります。
>そしてこの外が浜の蝦夷と、歴史時代に奥羽地方に活躍していた蝦夷とが、
>また同一民族の引続きであったことも、十分これを連絡すべき事実があるのであります。

※長文、読む価値あり
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/archeology/1602414786/396


喜田 貞吉 本州における蝦夷の末路 1928
https://www.aozora.gr.jp/cards/001344/files/49820_40772.html

東北文化研究 第一巻第四号

「えびす」とはいうまでもなく古史に見ゆる蝦夷、すなわち今日北海道になお約二万の遺?を存するアイヌ族のことなり。
その住所東方にあるがゆえに、あるいはこれを東夷という。

国家の懐柔政策は、なるべく蝦夷を内地諸国に移して、日本民族に同化融合せしめるにありました。
したがって日本国中到る所、蝦夷の血の行き渡っておらぬ地方はありません。
日本各地の住民は、石器時代以来の先住土人の血を保存しているばかりでなく、歴史時代において奥羽から移住した蝦夷の血を、多量に交えているのであります。したがって日本人には毛深いものが多い。
東洋のあらゆる諸民族、また南洋のマライ族にしましても、頬鬚の生えているものは殆どありません。
ただ蝦夷やアイヌのみは、毛人と言われた程に毛深いのを以て特徴としておりますが、日本人に相当鬚の濃いものの多いのは、この蝦夷の血を交えている一つの証拠となりましょう。