喜田 貞吉 本州における蝦夷の末路 1928
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「えびす」とはいうまでもなく古史に見ゆる蝦夷、すなわち今日北海道になお約二万の遺?を存するアイヌ族のことなり。
その住所東方にあるがゆえに、あるいはこれを東夷という。

国家の懐柔政策は、なるべく蝦夷を内地諸国に移して、日本民族に同化融合せしめるにありました。
したがって日本国中到る所、蝦夷の血の行き渡っておらぬ地方はありません。

日本各地の住民は、石器時代以来の先住土人の血を保存しているばかりでなく、歴史時代において奥羽から移住した蝦夷の血を、多量に交えているのであります。したがって日本人には毛深いものが多い。
東洋のあらゆる諸民族 また南洋のマライ族にしましても 頬鬚の生えているものは殆どありません。

ただ蝦夷やアイヌのみは、毛人と言われた程に毛深いのを以て特徴としておりますが、日本人に相当鬚の濃いものの多いのは、この蝦夷の血を交えている一つの証拠となりましょう