中国外相が「国際法に合致」と海警法を正当化 ウイグル弾圧批判には「デマ」と猛反発
3/7(日) 21:20
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産経新聞

 【北京=三塚聖平】中国の王毅国務委員兼外相は7日、開会中の全国人民代表大会(全人代)に合わせて北京で記者会見し、人権問題などで対中批判を強める米国について「根拠のない非難は受け入れない。中国の核心的利益の侵犯は許さない」と述べ、米国を強く牽制した。香港や新疆(しんきょう)ウイグル自治区での弾圧への批判も一蹴し、強硬姿勢を強める中国と国際社会との軋轢がさらに増すことが避けられない。

 王氏の記者会見はバイデン米政権の発足後初めて。

 王氏はウイグル自治区の少数民族ウイグル族らへの弾圧を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と米国などが批判していることに対し、「徹底したでたらめで完全に下心があるデマだ」と猛反発。人権弾圧の指摘には「中国の発展を邪魔するために問題を作りだしている」と主張した。全人代で審議されている香港の選挙制度見直しについても「完全に合憲・合法で、正当で理にかなっているものだ」との考えを示した。

 さらに「米国は民主や人権を旗印に他国の内政に干渉し、世界に多くの面倒を引き起こして戦乱の根源になってきた」との見解を披露した。その上で「これまでに設けてきた各種の不合理な制限を速やかに解除するよう望む」と述べ、対中制裁関税などの撤廃を暗に求めた。

 中国海警局に武器使用を認めた海警法への懸念が日本で強まっていることについては「特定の国に対するものではなく、国際法や国際的な実践に完全に合致している」と正当化した。

 日中関係では、今夏の東京五輪、来年2月の北京冬季五輪を挙げて「両国民の友好感情を深め、中日関係の発展を促す機会にできる」と意欲を示した。

 台湾問題では「いかなる形の『台湾独立』の分裂行為も打ち砕く能力が中国政府にはある」との強硬姿勢を表明。米国が台湾への支援姿勢を強めていることに関しては「台湾問題には妥協や譲歩の余地はない」と警告した。
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