人は「視線」を物理的特性を持ったビームのようなものだと暗黙のうちに考えている


人間は視線に敏感な生き物であり、アイコンタクトでコミュニケーションを取ることができるだけでなく、
日常のふとした瞬間に「誰かに見られている」と感じることもあります。近年の研究では、
「人は視線を物理的特性を持ったビームのようなものだと暗黙のうちに考えている」ことが判明していると、
科学系メディアのScientific Americanが解説しています。

誰かに視線を向けてアイコンタクトを取ることはコミュニケーションの一つであり、言葉やジェスチャーに
頼らずに社会的な調整を行うことができます。その一方で、視線は単なる情報伝達の手段としてのみ
捉えられてきたわけではなく、人々は古くから視線に物理的な力があると信じる傾向があったと
Scientific Americanは指摘しています。

たとえばギリシア神話に登場するメデューサは宝石のように輝く目を持ち、見るものを石にしてしまう
力を持っていたとされています。また、想像上の動物であるバジリスクは見たものを殺す力を
持っているとして恐れられているほか、近年では目からビームを放射するヒーローや怪獣も登場しています。

Scientific Americanは世界的に広がる「視線は何かを放射している」という信念について調査した、
複数の研究について解説しています。2019年の研究では、被験者が座ったテーブルの上に
「ペーパータオルに似た円筒形のチューブの画像」を表示したディスプレイを置き、
テーブルの端に人の横顔を映した写真を、視線がチューブを向く位置で設置しました。
ディスプレイはキーボードと接続されており、特定のキーを押すとチューブが傾いていくように
なっhttps://gigazine.net/news/20210106-gaze-physical-force-illusion/