神戸喜楽館で“忠臣蔵”寄席 「討ち入り」来月14日から

映画やテレビドラマで年末恒例の時代劇「忠臣蔵」をテーマにした落語や講談を集めた寄席が、赤穂義士討ち入りの日の12月14日から神戸新開地・喜楽館(神戸市兵庫区)で開かれる。年の瀬の風物詩にしたいと喜楽館が初企画。旭堂南海さん、南鱗さんら講談師が中トリで出演し、桂文之助さんら日替わりでトリを務める落語家も忠臣蔵を題材にした演目を披露する。20日まで。(金井恒幸)

 赤穂藩主・浅野内匠頭が幕府の要職・吉良上野介に嫌がらせを受けて刃傷に及び、無念の切腹。1702年、元藩士の赤穂義士47人が敵討ちを果たした事件は、その忠義心から江戸時代の人々の感動を呼んだ。

 歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」をはじめ人形浄瑠璃、落語、講談などで幅広く題材に用いられ、長く語り継がれてきた。

 出演者の1人、旭堂南海さんは加古川市出身で加古川観光大使を務める。昨年の討ち入りの日も、宝塚市で忠臣蔵にまつわる講談を披露した。今回は6日間出演し、前半は刃傷事件とその後の家臣の苦悩、中盤は浪士の潜伏中の苦難、後半は討ち入りを中心とし、毎日異なる演目を予定する。

 南海さんは「映画やテレビで人気のアニメ『鬼滅の刃』と同様、家族や兄弟愛、敵討ち、敵側の苦悩を描く伝統的な日本の物語。現代人にも共感してもらえると確信している」と力を込める。

 落語も関連演目が登場。19日のトリ、桂文之助さん=神戸市長田区出身=は「蛸芝居」、20日のトリの桂梅団治さんは新作「長屋浪士」の披露を予定する。

 文之助さんは「忠臣蔵ゆかりの落語は歌舞伎芝居のパロディーが多い。気楽に楽しんでもらいたい」。梅団治さんは「史実を踏まえた講談と滑稽な落語を聴き比べ、両方の面白さを感じてほしい」と呼び掛ける。

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