中古車の購入代金を払ったのに納車されず、お金も返ってこない――。そんなトラブルに見舞われるケースが全国で相次いでいる。国民生活センターによると、中古車売買を巡る相談はここ数年、7000件台で推移する。岐阜市の中古車販売業者から車を購入しようとした男性の話から、トラブルの実態を探った。

 2020年2月、大手中古車サイトを見ていた名古屋市の男性会社員(36)は、1台の黒いミニバンに目を留めた。製造は19年式、走行距離は3000キロと短い。幼い子どもがいるため、スペースにゆとりのある車を探しているところだった。問い合わせると、業者から「内装外装ともにコンディション大変良好な車」とメールが届いた。実車を見た上で271万円で買う契約を結び、2月中に全額支払った。

https://mainichi.jp/articles/20201017/k00/00m/040/204000c