http://rakukan.net/article/477623233.html
徴用工問題の落ちない落としどころ 外交遮る革新勢力(日経新聞)
約8年ぶりの日本での新政権発足や米中対立の陰に隠れるかたちで日韓の「時限爆弾」が静かに時を刻んでいる。
元徴用工判決後に韓国で差し押さえられた日本製鉄(旧新日鉄住金)の資産が近く現金化されれば両国の対立は決定的になる。 (中略)
判決から約2年。日韓関係は悪化の一途をたどるなかで、協定順守と最高裁判決を両立させる「落としどころ」と双方の関係者が語る案がある。

概略は次の通りだ。

(1)日韓企業の寄付金などによる基金を設け、勝訴が確定した元徴用工に相当額を支給する。
その際、企業には拠出を強要せず、自発的な寄付のかたちをとる。それをもって判決が命じた日本企業の賠償を肩代わりする。

(2)それを受け、韓国政府は「問題が解決した」と宣言する。他の元徴用工の扱いについては
日本側に追加対応を求めず、韓国側の責任で補償する。

(3)日本企業の寄付金は韓国から日本への留学生の支援や奨学金など「未来志向」の用途に充てる。
徴用工問題は「解決済み」としてきた日本政府もそれを黙認する。

(4)韓国側は「日本企業が賠償に応じた」と受け止める一方で日本側は自発的な行為であるとして、賠償とは一線を画す。

関係者によると、韓国側は国交正常化時に日本から受け取った資金を元手に建設された鉄鋼大手のポスコを中心に
基金への拠出の用意ができている。賠償でなく自発的な拠出案については「多額の裁判費用に加え、
韓国から『戦犯企業』呼ばわりされるイメージダウンを懸念する日本企業側にも肯定的な意見がある」(政府関係者)という。 (中略)

最大の障壁がほかならぬ青瓦台だ。内部事情に詳しい関係者によると、一時は韓国政府による基金への出資も検討したが、
ここにきて日韓の企業が折半する「1(日本企業)+1(韓国企業)」案に先祖返りしているというのだ。
大法院判決が求めているのは日本企業による賠償であり、少額でも賠償名義で得られなければならないとの原則論だ。