【独自】新型コロナ専門家会議の発言録入手 “検証”阻む黒塗りの壁
https://www.fnn.jp/articles/-/76291

FNNは、分科会の前身で、政策決定に大きな影響を与えてきた専門家会議の発言記録を、情報公開請求で入手した。

現物は、ほとんどが黒塗りで、検証に課題が浮上している。

黒塗りばかりの文書。
これは、2020年2月の、政府の第2回専門家会議の速記録。

38ページ、1,352行にのぼるが、専門家の発言として開示されたのは、脇田座長が議題を伝えたことや、「ありがとうございます」といったあいさつなど、ごくわずか。

この会議の翌週には、政府は、全国一斉の臨時休校を政治判断として要請していて、この会議でも、何らかのやりとりがあった可能性もある。

少ない開示部分から、議題として、「学校におけるコロナ対策」が上がっていたことがわかったが、公表された箇条書きの議事概要にも関連する記載はなく、会議の内容がきちんと公表されていたかどうか、疑問が残るものとなっている。

黒塗りの理由について、内閣官房は「公表すると、率直な意見の交換が損なわれるおそれがある」としている。

「3密の回避」に「新しい生活様式」。
専門家会議は、政府の目玉政策を生み出していて、意思決定を専門家が行っているとの指摘も一時あった。

それだけに、議事録は、政策決定のプロセスを示す重要な記録となる。

しかし、会議の重要性とは裏腹に、議事録については、率直な意見交換をすることを優先し、初回の会議で概要のみ公表することを決めた。

今回、FNNでは、公開されている箇条書きの議事概要では、そのもととなった議論の詳細がわからないため、記録を情報公開請求した。

しかし、開示された速記録は、ほぼすべて黒塗りだった。

西村経済再生相「まさに歴史的緊急事態ということでありますので、記録をしっかりと残して、将来の検証、また、今後来るであろう、感染症対策にも備えていかなければいけない」

西村経済再生相は、速記録を将来的に公表する意向だが、国立公文書館に移す10年後となる見通し。

わたしたちがこの黒塗りの下を目にするのは2030年代になりそうで、歴史的事態をどう検証するのか、検討を続けることが求められる。

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