日中、対話の重要性確認 尖閣情勢巡りテレビ会議

日中両政府は31日、外務省局長によるテレビ会議を開き、沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海情勢の緊張緩和に向けた政府間対話の重要性を確認した。新型コロナウイルスの感染拡大が一段落した後の適切な時期に「日中高級事務レベル海洋協議」を開催することも申し合わせた。

尖閣の周辺海域では中国公船による航行が連日確認されており、日中当局間でにらみ合いが続く。コロナの影響で外交活動が制約される中、双方が不測の事態回避へどこまで協調できるかが当面の課題になる。

会議で日本側は、中国公船による尖閣周辺での領海侵入や接続水域航行に言及し、断じて受け入れられないとの考えを伝達。東京・沖ノ鳥島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)で確認された中国調査船の動きにも触れ、自制的な対応を求めた。

中国は(1)釣魚島(尖閣の中国名)周辺は自国の海であり、公船の航行は通常のパトロールにすぎない(2)沖ノ鳥島は島でなく岩。周辺にEEZを設定できない―との原則的立場を強調したとみられる。会議結果に関し中国は「双方は問題を適切に処理し、海洋分野での協力を積極的に推進する意向を表明した」(同国外務省)としている。

会議には日本側から外務省の滝崎成樹アジア大洋州局長、中国から中国外務省の洪亮国境海洋事務局長が出席した。

〔共同〕

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO62155980R30C20A7000000?s=3