新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため営業や外出を自粛する動きが広がった4月の消費支出が、大きく落ち込んだ。総務省が5日発表した4月の家計調査で、2人以上の世帯の消費支出は26万7922円だった。
前年同月より実質で11・1%少なく、その落ち幅は比べられる2001年1月以降で最も大きかった。外食や交通、サービスなどで目立った。
減少は7カ月連続だが、落ち込み幅が2ケタになったのは、消費増税前の駆け込み需要の反動が出た15年3月(10・6%減)以来、ほぼ5年ぶりだ。
支出が減ったのは、10ある品目分類のうち8品目。「教養娯楽」「被服及び履物」「食料」などだ。
店での飲酒代は90・3%減、食事代は63・3%減。在宅での勤務が広がったことを背景に、鉄道運賃は89・9%減、背広服は79・9%減、口紅は41・1%減だった。
「巣ごもり」を一因に支出が増えた品目もある。ゲームソフトは2倍。電気代は6・3%増、上下水道料は11・5%増だった。マスクなどの保健用消耗品は価格の上昇もあって2・2倍に膨らんだ。
総務省は「緊急事態宣言による自粛の影響が多くの品目に出た。5月もコロナが響くのは間違いない」としている。(山本知弘)

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