ソウル市瑞草区にある瑞草高校の校庭には、高さ1.3メートルの慰安婦被害者少女像が立っている。
2013年に全国で初めて校内に設置された慰安婦被害者少女像だ。
この少女像は、彫刻家の金運成(キム・ウンソン)、金曙Q(キム・ソギョン)夫妻が作った代表的な慰安婦被害者象徴物「平和の少女像」とは姿形が違う。
「平和の少女像」はおかっぱ頭で正面を向いているが、瑞草高校の少女像は髪を一つにまとめて三つ編みにし、頭が少し左に向いている。

もともとはこの少女像もおかっぱ頭でいすに座り、正面を向いていた。だが、除幕式まであと1週間だった2013年8月、金運成氏側が学校に電話をかけてきた。
「著作権侵害なので設置してはならない」という話だった。当時瑞草高校の校長だったイ・デヨンさんは「教育目的で使うのに著作権を主張するケースはほとんどないので当惑した」と話す。
学校側は圧力に耐えられず、600万ウォン(現在のレートで約54万円、以下同じ)かけて作った最初の少女像を廃棄した。
金運成氏は少女像1体につき3300万ウォン(約300万円)を受け取る。
イ・デヨンさんは「金運成氏の少女像はあまりにも高価で、学校の財政的には無理だった。

生徒15人が歴史専門家の助けを借りて新たな図案を書き、1カ月で今の少女像を完成させた。費用は600万ウォンだった」と言った。
この図案はその後、ソウル・舞鶴女子高校、釜山ハンオル高校(当時はプソン高校)などがそのまま使用した。もちろん著作権料はない。

一般の人々によく知られている金運成夫妻作の「平和の少女像」は2011年、ソウル市鍾路区の旧日本大使館前をはじめ、現在国内外の95カ所以上に建てられている。
今ではすっかり慰安婦問題を伝える象徴物として定着した。
米カリフォルニア州グレンデール市では2013年7月30日に平和の少女像の除幕式が行われ、その日を「慰安婦の日」として記念しているほどだ。

しかし、少女像を設置する所が増えるにつれ、金運成氏側が「平和の少女像」を過度に商業利用しているという指摘も出ている。
金運成夫妻は2011年以降、旧日本大使館前に設置したのと同じ高さ1.3メートルの「平和の少女像」を95体販売し、少なくとも31億ウォン(約2億7700万円)の売り上げがあったと推定されている。
その費用は少女像を設置した地域の住民の寄付により負担された。

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