「まさに日本モデルの力を示したと思います」

 緊急事態宣言解除の会見で安倍晋三首相は、このように誇らしげに語った。

 ご存知のように、日本政府の新型コロナ対応は諸外国に比べてかなりグダグダで、
「スピード感もなくアナログだ」と、国内外からボロカスに叩かれてきた。にもかかわらず、欧米と比べて被害をここまで小さく抑え込めている。
そんな「日本モデル」について、海外メディアからは「不可解」「日本の奇跡」など様々な声があがっている。

 では、当事者の日本人としては、「日本モデル」の成功要因をどう分析しているのかというと、
現場の医療従事者が頑張ってくれたのと、「8割減」という外出自粛を律儀に守った国民のお陰だ、という声が圧倒的に多い。

 たとえば、ニュースキャスターの安藤優子氏も『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)の中で、こんなことをおっしゃっている。

 「昨日、安倍総理は『日本モデル』という言葉をお使いになりましたけど、
本当にみなさんが粛々と勤勉に頑張られるっていう、そのルールを守る律儀さが、それこそ日本モデルの真髄かなという風に思いました」

 こうした話を聞くと、「その通り!それに加えて日本人の衛生的な生活様式がうまく機能をしたのだ」と誇らしげな気持ちになる人がたくさんいると思う。
しかし、こういうことを言うのは大変心苦しいが、残念ながらそれは勘違いだ。
いや、「日本、スゴイ」というナショナリズムが生み出した幻影、あるいは御都合主義的解釈と言った方がいいかもしれない。

 新型コロナの重症患者が欧米と比べてケタ違いに少ないのは、なにも日本だけの特殊事情ではなく、東アジアの国々に共通する現象だからだ。

「コロナ収束は日本人のマジメさや清潔さのお陰」という勘違いの恐ろしさ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200528-00238555-diamond-soci