「新型コロナで死亡する日本人は57万人」米著名シンクタンクが掲載する報告書の中身
飯塚真紀子 | 在米ジャーナリスト
3/6(金) 8:02

https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20200306-00166303/


 世界では、最悪6800万人が死亡。

 そんな恐るべき数字を伝える報告書「COVID-19が世界のマクロ経済へ与えるインパクト:7つのシナリオ」が、3月2日(米国時間)、アメリカの著名シンクタンク「ブルッキングス研究所」のウェブサイトに掲載された。

 この報告書の著者は、オーストラリア国立大学教授のワーウィック・マッキビン氏とローシェン・フェルナンド氏。
両氏は、新型コロナによる病気や死亡のため各国で減少する労働者数、消費者の商品嗜好の変化、製造網が受ける障害によるビジネスコストの上昇など世界経済に与える経済的ショックを分析、新型肺炎がパンデミックとなった場合に、適切な経済的判断が行われないと起こりうる7つのシナリオを紹介している。

 この報告書によると、7つの中の最善のシナリオであっても世界のGDPは2.4兆ドル(約254兆円)も失われることとなり、最悪のシナリオでは世界のGDPは9兆ドル(約954兆円)も失われるという。

 報告書には、7つのシナリオの下で「国々の人口に与えるインパクト」も分析されている。それによると、世界全体では最善のシナリオでは約1500万人が、最悪のシナリオでは6800万人が死亡するという。うち中国では、最善のシナリオで279万4000人、最悪のシナリオでは1257万3000人が死亡すると推定されている。

 国別の推定死亡者数も下記のように表化されており、日本の場合、その数は最悪のシナリオで57万人、最善のシナリオでも12万7000人となっている。

 ちなみに、アメリカの場合は、最善のシナリオで23万6000人、最悪のシナリオで106万人だ。アメリカでは毎年、インフルエンザで約5万5000人が亡くなっているが、それをはるかに超える数である。

 なお、韓国の場合は最善のシナリオで6万1000人、最悪のシナリオで27万2000人、イタリアの場合は最善のシナリオで5万9000人、最悪のシナリオで26万5000人と日本より推定死亡者数が少ない。