新型コロナウイルスの影響で自粛営業や休業している飲食店を支援しようと、老舗酒蔵の木内酒造(那珂市鴻巣)は、在庫の生ビールを無料で蒸留し、「クラフトジン」にして飲食店に返す取り組みを始めた。
生ビールには賞味期限があるが、クラフトジンにすることで長期保存が可能となる。同社は「終息後すぐにジンとして提供できる。(飲食店の)再出発を手伝いたい」としている。

受け付けるのは未開封の生樽(たる)ビールで、合計20リットルから対応する。
同社以外のビールでも可能。事前相談と予約をした上で、常陸野ブルーイング東京蒸溜所(東京)か、4月から稼働している八郷蒸溜所(石岡市須釜)のいずれかに送る。
各蒸溜所でクラフトジンにして、ラベル付きの瓶(750ミリリットル)に入れて返す。
出来上がり量の目安は、ビール約100リットルから、クラフトジン約8リットル。持ち込みや納品の配送料、空樽の返送料は飲食店の負担となるが、蒸留費用は無料。

ジンは穀物を原料にした原酒に、木の実の「ジュニパーベリー」などで風味付けして作る。
これまでも同社は自社のクラフトビール「常陸野ネストビール」や麦芽を原料にクラフトジンを作り、直営店で提供していた。
同社の生樽ビールの場合、賞味期限は3カ月だが、高アルコールのジンは期限を気にせず保存できるという。

同社によると、営業先の飲食店から、「ビールの賞味期限が切れるが、見通しが立たず捨てるしかない」「終息した後にやっていけるのか」といった相談があった。
廃棄をなくし、飲食店を支援をしようと、今月13日から受け付けを開始。21日までに関東のクラフトビール専門店など計20件の申し込みがあった。
問い合わせは沖縄県や愛知県、大阪など全国から寄せられている。

同社担当者は「(飲食店は)クラフトビールを広めてきた仲間。終息したとき、新しいスタートを切れれば」と話した。(磯前有花)

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