八重山毎日新聞 不連続線

「アベノマスク」と言うらしい。安倍総理が感染拡大中のコロナウイルス対策で全国各家庭に2枚の布マスクを無償配布するとした政策。
いかにもな唐突感。総理自身が「洗濯して何回でも使える」とアピールしたから余計に違和感が残る

▼そもそも不織布マスクより予防効果が薄い。それを「少しでも国民に安心感を」と言われても。
さっそくSNS上で「税金の無駄遣い」「飲食店やイベント関係など休業補償が先だ」など批判が相次ぐ

▼確かにマスクは品薄。どこにも売っておらず、八重山では入手困難だ。が、あるところにはある。
テレビの国会中継を見れば、総理はじめ議員も全員マスク姿。
「政治家枠」で買えるのか。もしかして政府の備蓄だろうか? 
だとすれば元をただせば国民の税金。そうか、だからアベノマスクなのか

▼もともと国内需要は週1億枚で、その7割を中国製品に依存していたという。
国内工場をフル稼働しても供給が追い付かないのは当然だろう

▼首都圏や大阪などを対象として緊急事態宣言が出される。県内でも子どもたちの新学期が延期になった

▼もはや世界はいがみ合っている時ではない。国民の安心は、石垣島にミサイル基地を配備して敵国視する国からの輸入に頼っている。
アベノマスクで見えた不都合な真実である。(慶田盛伸)

http://www.y-mainichi.co.jp/news/36296/