「三密(対策)は十分ではなく、テレワークも進んでいない」――厚生労働省は4月4日、LINEと共同で実施した新型コロナウイルス対策の調査結果を発表した。
近い距離で他人と会話しないよう配慮している人は約30%で、仕事でテレワークをしている人は約5%だった。

同省とLINEは3月31日〜4月1日に、メッセージアプリ「LINE」の国内ユーザー約8300万人を対象にした第1回調査を実施し、約2400万人の回答を得た。
クラスター(感染者集団)の早期発見に役立てる目的で、ユーザーに対して体調や感染予防策などを尋ねた。

調査によると、「手洗い・うがいやアルコールによる手や指の消毒」(85.6%)や「せきやくしゃみをする時は、マスク・ハンカチ等を口にあてる」(74.4%)などの基本的な予防は徹底されていたという。

感染リスクを高める「密集、密着、密閉」という“三密”対策については、「人がたくさん集まっている場所には行かないようにしている」(73.7%)、「換気が悪い場所には行かないようにしている」(62.0%)に比べ、「他の人と、近い距離での会話や発声をしないようにしている」は32.8%にとどまった。

また、「仕事はテレワークにしている」と答えた人は5.6%にとどまり、厚労省は「柔軟な働き方の取り入れはまだ改善の余地がある」としている。

これらの結果について、厚労省は「予防意識の高い人ほど回答している可能性がある」と説明し、回答者の偏りを考慮する必要があるとしている。

同省とLINEは、第2回調査を4月5日〜6日に実施中だ。

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