ベトナム政府は、領有権を主張する南シナ海の海域で中国海警局の船が操業中のベトナムの漁船を沈没させたと発表し、中国に抗議したことを明らかにしました。

これはベトナム外務省が3日、発表しました。

それによりますと、南シナ海の西沙諸島=英語名・パラセル諸島で中国海警局の船が操業中のベトナム漁船に体当たりして沈没させたということです。

漁船の乗組員8人は無事でした。

これを受けてベトナム外務省は、「中国の船はベトナムの主権を侵害したうえに、乗組員の命を危険にさらした」
などとして3日、ベトナムの中国大使館に対して抗議するとともに、同様の行動を繰り返さないよう求めたとしています。

南シナ海をめぐっては、中国がほぼ全域の管轄権を主張しているのに対し、ベトナムなどが一部の島などの領有権を主張して対立しています。

2014年には、中国が西沙諸島の近くの海域に海底油田の掘削装置を設置したことをきっかけに両国の船が衝突するなど、対立が先鋭化しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200404/k10012368081000.html