焦点:コロナ禍でうごめく「マスクブローカー」、粗悪品の温床にも

[31日 ロイター] - ブライアン・コルフェージ氏(38)。フロリダ在住の退役軍人で、独自に対メキシコ国境に「壁」を築くと称して、米国民から数百万ドルの寄付を集めた人物だ。

そのコルフェージ氏が、新しい事業に乗り出している。新型コロナウイルスのパンデミック(大流行)により危機的な品不足に陥っている防護マスクを何百万枚も売りさばこうというのだ。

1カ月ほど前、コルフェージ氏はアメリカ・ファースト・メディカルという名の企業を設立し、高性能マスク「N95」の大量販売を仲介するとウェブサイトやソーシャルメディア上で宣伝している。提示価格は1枚あたり約4ドル。パンデミック前の数倍だが、一部の病院、介護施設、救急隊員が最近払っている価格に比べれば、それでも数ドル安い。

まだ買い手は見つかっていないが、コルフェージ氏によれば、日本や東欧諸国の倉庫で眠っていた在庫など、世界中でマスクを発見しているという。契約がまとまれば、発注規模に応じて1─3%の手数料を徴収するつもりだと同氏は言う。

コルフェージ氏は、自分がやっているのは公共サービスだと称している。「人が嫌がることをわざわざ試み、こういう病院などができない仕事をすべてこなしている」とロイターに語った。「我々がやっているのは橋渡しだ。病院が金を払う気になるか、それは彼ら次第だ」
続く
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-masks-idJPKBN21K0DY