コロナ無視のスタジオ討論会。ぶらさがり会見。国会。政治家、専門家、メディアの不思議な行動。

 とうとう首都・東京のロックダウン(閉鎖)にまで、小池百合子・都知事が言及せざるを
えなくなった新型コロナウイルスの感染拡大。日本は半周、いや1週遅れで、武漢、ニュー
ヨーク、パリ、ロンドンを追いかけているので、いよいよ、私たちの暮らしは追い詰められ、
破壊される。
 それもこれも、政治家や専門家から一般国民にいたるまで、「まさか日本だけは」と思い
上がってきた日本至上主義、日本例外主義のツケだ。これまで私は、繰り返し、検査数の
拡大、海外渡航の禁止などを訴えてきたが、ほとんど無視されるか、非難されてきた。
 検査の拡大にいたっては、「医療崩壊を招く」「不確実性が大きいので意味がない」と、
なぜか厳しく批判された。

 こうした経緯を踏まえて、いまなお、本当に不思議なことがある。それは、テレビの
ワイドショー、ニュース番組などが、いまだに識者や専門家をスタジオに招いて、新型
コロナウイルスに関する討論を行っていることだ。
 ほとんどのワイドショーでゲストコメンテーターは横一列に並んで座り、身振り手振りを
交えて意見を表明している。コメンテーター同士の距離は近く、誰もマスクをしていない。
飛沫感染の距離なのに、これでいいのだろうか。
「飛沫感染も心配されます。マスクをして手を洗い、また、なるべく人と会うのは避けて
ください」
 こうした専門家の言葉にまったく説得力がないのは、ご自身が実行していないからでは
なかろうか。テレビ出演は、もっとも人と接触する機会が多いものの一つだ。また、ハイヤー、
タクシー、電車、飛行機などで移動して局へ行くのだから、常に感染リスクに晒されて
いると言っていい。となると、彼らのコメントと実際の行動は違いすぎる。
 すでに、欧米のテレビでは、スタジオでのトークはなくなり、討論はネットワークで行わ
れるようになっている。だから、司会者はマスクを付けていない。しかし、日本の司会者は
マスクを付けず、コメンテーターの前で大きな声でしゃべり、コメントを引き出そうとする。
信じがたい光景だ。
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamadajun/20200326-00169837/