対馬市の寺で県指定の有形文化財の仏像を盗んだなどの罪に問われている兵庫県の男2人の裁判で、長崎地方裁判所厳原支部は「極めて貴重な財産を盗んだ
結果は誠に重大だ」などとして、それぞれ実刑判決を言い渡しました。

神戸市の飲食店従業員、綾井徳之被告(59)と、神戸市の土木作業員、有川哲也被告(42)は、去年10月対馬市の「円通寺」に侵入し、県指定の有形
文化財で時価およそ1億5000万円の「銅造薬師如来坐像」を盗んだとして、窃盗と建造物侵入の罪に問われています。

寺の住職が犯行を見つけたため2人は仏像を置いて逃げました。

17日の判決で長崎地方裁判所厳原支部の久田淳一裁判官は、綾井被告について「共犯者を誘い入れ、役割分担や報酬を決めるなどしたうえで、道具などを
準備した。首謀者として責任は重大だ」と指摘しました。

また、有川被告については「綾井被告に誘われ、金銭欲しさから犯行を行った」と指摘しました。

その上で「被害にあった仏像は13世紀ごろに製作され、朝鮮半島と対馬の密接な交流を象徴する歴史的文化財だ。こうした極めて貴重な財産が盗まれた結
果は誠に重大だ」などとして、綾井被告には検察側の求刑懲役3年に対して懲役2年8か月、有川被告には検察側の求刑2年6か月に対して懲役2年の実刑
判決を言い渡しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20200117/5030006480.html