兵糧攻めゴーン「無一文」恐怖 百数十億円の資産凍結も すでに家族も事情聴取?
2020年1月9日 16時0分東スポWeb
意気軒高だったが、白旗を掲げる日は近いかもしれない。保釈中にレバノンへ逃亡した前日産自動車会長の
カルロス・ゴーン被告(65)が8日、ベイルートで開いた約2時間半の会見で身の潔白を主張したが、
予想された衝撃発言はなかった。自身を「追放」した日産の役員の名前を挙げるなど、
国際世論を味方につけるための反撃に出た形だが、この先は資産凍結、誘拐・暗殺危機など、さらなる難局が待ち受けている。
約100人の記者らが集まった会見でゴーン被告がほえた。
冒頭「日本からどう脱出したかに興味があるかもしれないが、話さない」とけん制したうえで
「1日8時間以上、弁護士なしで尋問を受けた。(検察からは)何度も告白しろと促された」と日本の“人質司法”を批判した。

アラビア語、フランス語、英語、ポルトガル語が飛び交うなか、自身を正当化した会見は約2時間半に及んだ。
逃亡犯として今後を過ごすのかを問われ「私は“ミスター不可能”といわれた。真実が明るみに出るよう、
数週間以内に行動を起こす」と自信満々だった。
散々コケにされた司法当局は手をこまねいているわけではない。東京地検特捜部は7日、
偽証容疑でゴーン被告の妻キャロル容疑者の逮捕状を取った。今後、キャロル容疑者もゴーン被告同様、
ICPO(国際刑事警察機構)に身柄拘束を求める赤手配書が出されることになる。
夫妻はレバノンから出国すれば、拘束リスクが出てくるが、ゴーン被告は「赤色の手配書が出ているが囚人とは思っていない。
レバノンで長期的に滞在する用意はできている」と覚悟している。

 だが、経済評論家の渡辺哲也氏は今後、夫妻は金銭的、身体的に厳しい状況に追い込まれると予想する。
ゴーン被告は2回の保釈で保釈金計15億円を納め、没収されたが、東京地検はゴーン被告の個人資産は
現金や株式、金融商品など合計して百数十億円と試算していた。