イラン ウラン濃縮活動強化を発表 IAEAとの関係は維持
2020年1月6日 4時06分

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200106/amp/k10012236111000.html

アメリカが一方的に離脱したイラン核合意をめぐり、イラン政府は5日、アメリカによる経済制裁に対抗するため、ウラン濃縮度も含め核合意で定められた制限に従わず、濃縮活動を強化すると発表しました。ただ、濃縮度の具体的な数値は示さず、IAEA=国際原子力機関との関係についてもこれまでどおり維持するとしています。
イラン政府は5日、核合意をめぐり声明を発表しました。この中で、イランは核合意で定められた遠心分離機の数の制限に従わず、その結果、ウラン濃縮度を含め、濃縮活動の運用面での制限はなくなるとしています。

ただ、濃縮度の具体的な数値は示さず、必要性に応じて計画を進めるという表現にとどめています。

また、懸念されていたIAEA=国際原子力機関との関係については、これまでどおり維持するとしているほか、アメリカの制裁が解除され、イランが核合意の利益を確保できるならば、再び合意を順守するとしています。

イランはアメリカが経済制裁を再開させたことで、核合意で約束された経済的利益が守られていないとして、段階的に対抗措置をとっていて、今回が5回目です。

イランとしては核合意の完全な崩壊は避けつつ脅威を高めることで、ヨーロッパなど各国から経済支援策を引き出したい思惑があるものとみられます。