カジノを含む統合型リゾート施設(IR)への日本参入を目指していた中国企業をめぐる外為法違反事件で、
海外から現金を不正に持ち込んだとされる同社日本法人の役員を名乗る日本人男性らが、東京地検特捜部の調べに、自民党の秋元司衆院議員(48)=東京15区=側に現金を渡したと供述していることが24日、関係者への取材で分かった。
特捜部はIR担当副大臣だった秋元氏や元政策秘書が、同社に便宜を図る見返りに現金を受け取った疑いが強まったとして収賄などの容疑で立件する方針を固めたもようだ。

特捜部は詰めの捜査を進めており、最高検など上級庁と協議の上、最終判断する。

日本人男性は中国企業が参入を目指した北海道留寿都(るすつ)村でのIR誘致計画に同社の交渉担当として深く関与。
同社と秋元氏をつなぐ役割を果たしていた。

関係者によると、男性らは特捜部に対し、平成29年ごろ、IR担当副大臣だった秋元氏に、IR参入に絡み、同社に便宜を図ってもらう謝礼として、元政策秘書らを通じ秋元氏側に現金を渡したとの趣旨の供述をしているという。

特捜部は、これらの現金のうち少なくとも数百万円について、秋元氏が受け取った賄賂に当たると判断。中国企業側についても贈賄容疑での立件を視野に捜査しているもようだ。

中国企業は、29年8月に那覇市で開いたシンポジウムでIR進出を検討していることを表明。
秋元氏はこの際、基調講演を行った。 中国企業は30年1月、札幌市の観光会社が留寿都村でのIR誘致計画を公表した際に出資を表明。
翌月には秋元氏が村を訪れ、同社側と村幹部と会っていたが、その後、北海道が誘致計画を断念した。

特捜部は既に秋元氏から任意聴取。秋元氏は複数回にわたる産経新聞の取材に「中国企業側からのお金は一銭も入っておらず、不正は一切ない」と否定した。

https://www.sankei.com/affairs/news/191225/afr1912250002-n1.html
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