なぜアリの行列は渋滞して詰まってしまわないのか?
https://gigazine.net/news/20191028-ants-dont-experience-traffic-jams/

大量の個体でコロニーを形成するアリは、見つけたエサを協力して巣穴に運ぶために長い行列を作り、規則正しく行進します。
時には行列の密度が非常に高くなることもあるのに、なぜアリの行列が渋滞して詰まってしまわないのかという疑問について、研究者らが実験と観察を繰り返しています。

過去10年近くにわたり、アリの集団行動について数多くの研究がされてきました。2008年の研究では、研究者らは実験室内に作ったアリの巣穴と甘い食物源の間を、高速道路のような専用通路で接続しました。
アリたちが巣穴と食物源の最短距離を見つけて行列を形成した後、通路は人間社会の高速道路と同じく混雑し始めましたが、通路が詰まり始めると食物源から巣穴に戻るアリが反対方向からやってくるアリをブロックし、別のルートを見つけるように促す行動が見られたとのこと。

また、2018年にはジョージア工科大学の研究チームが、ヒアリがどのように巣穴のトンネル掘削を最適化しているのかについての研究結果を発表しました。
ヒアリのトンネルは非常に狭く、2匹がすれ違う程度の幅しかないそうで、それぞれの個体が好き勝手に掘削作業を行うとすぐにトンネルが詰まってしまいます。

しかし、研究チームがヒアリの掘削作業を観察したところ、ほとんどトンネルが詰まったり渋滞することはなかったとのこと。
ヒアリは他のヒアリが掘削作業を行っているところに出くわすと、大人しく引き返して他のヒアリが掘削を行っていない箇所を探しに戻るそうです。また、コロニー全体のヒアリが一斉に掘削作業をするのではなく、全体の30%のヒアリが、作業の70%を行っていることもわかりました。