甚大な被害を出した台風19号を受けて、あの民主党政権が掲げていたスローガン「コンクリートから人へ」を
はじめ、同党の「治水政策」が改めて注目されている。当時の党幹部や所属議員に「反省」や
「後悔」はないのか。菅直人内閣の官房副長官を務めた、立憲民主党の福山哲郎幹事長を
17日の記者会見で直撃してみた。
民主党政権は、群馬県長野原町の「八ッ場ダム」を一時建設中止としたり、
事業仕分けで「スーパー堤防整備は中止」と判断した。今回、八ッ場ダムが利根川流域を救ったとの
指摘もあり、ネット上などで批判が噴出している。
そこで、「民主党政権の『コンクリートから人へ』は間違いで、人命を救うコンクリートもあると認めたのか?」と聞いた。
福山氏は「われわれが『人命を救うというコンクリートがない』と言ったことは一度もありません。
公共事業すべてを否定したことも一度もありません」といい、一気に続けた。

 「ダムも今回、放流するかどうかについて、ギリギリで止まったところもあります。放流したところもあります。
放流した場合、被害が広がることについても議論しなければいけません」

 「今回、国直轄の堤防がいくつも決壊しました。国は国土強靭化という中で
治水についてやってきたはずです。でも、自然の猛威の方が大きかった。
何十年に一度という災害が毎年来ている。『国土を安全を守るためにどうするか』という議論を始めたい」

 福山氏はこの後、異常気象や気候変動から、圧倒的な財政負担を公共事業に注ぎ込むことへの
国民の理解、ニューヨークの国連本部で9月に開かれた「気候行動サミット」で安倍晋三首相が
演説しなかったことなどを取り上げ、最後に次のように語った。

 「ダムは必要であるところは必要だと思います。僕はダムを全部否定したことはありません。
しかし、ダムがあることによって放流・放水のリスクもあるということは裏側ではあります。政治や
政策が全部ゼロかサムかですむなら、こんな楽なことはありません。特に自然を相手にするものですから、
そういうところをよく理解していただきたい」

 一連の回答に、強い「反省」や「後悔」は感じられなかった。有権者はどう判断するのか。

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