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外国人観光はGDPに寄与しない

訪日外国人数は3000万人を超え、2019年は上半期と同じペースなら3326万人に達します。
19年上半期の1663万人は前年の約1,590万人とくらべて4.6%増、2018年は前年比16%増だったので大幅ダウンだった。
政府が目標としていた2020年の訪日外国人4000万人は絶望的になったが、実は達成しない方が良いという話です。
外国人観光客によるインパウンドは5兆円に達し、政府は10兆円消費を目標に掲げています。
既に外国人消費が日本のGDPの1%を占め、将来は2%以上になりそうですが、実際にはなりません。
外国人観光客が使った分、日本のGDPが増えるように吹聴していますが、GDPは増えないし日本人の収入も増えません。
この仕組みは輸出と同じで、輸出額-輸入額を純輸出と言いますが、GDPが増えるのは純輸出の分だけです。
2018年の旅行収支は2.3兆円の黒字だったのですが、GDPが2.3兆円増えた訳でもありません。
安倍首相が観光立国を掲げて訪日客が増え始めたのは2013年ですが、GDPがどう増えたかを振り返ってみます。
実質GDPは2013年は2.0%だったが、その後は0.38%、1.22%、0.61%、1.93%、0.81%、2019年も0.98%と平均1.13%でした。
2010年から2012年の民主党時代は平均1.85%だったので、訪日客が増えて却って日本のGDP成長率は低下しています。
民主党時代に成長率が高かったのは2009年のリーマンショックで-5.4%と大幅減だった反動で、鳩山や管の経済政策が優れていたからではなかった。
もうひとつ付け加えると鳩山や管は「子供手当て、震災復興」でお金をばらまいたので、公的投資によってGDPが増えました。
政府がお金をばらまくとGDPは増えたが、外国人観光客が3倍になってもGDPは減ってしまいました。