消えた河川敷、泥かぶる高層マンション…空から見た東京
https://www.asahi.com/articles/ASMBF22K7MBFUTIL004.html

写真・図版台風19号により増水した多摩川
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20191013000712_comm.jpg

台風19号の通過から一夜明けた13日早朝、ヘリコプターで首都圏上空を飛んだ。

東京を流れる多摩川の河口にある羽田空港を離陸。
まず、多摩川に沿って北西へ向かう。川崎市中原区の武蔵小杉駅付近へ。
高層マンションの1階付近が泥をかぶっているのが見えた。

その上流にある、東京都世田谷区の東急二子玉川駅付近。
河川敷がなくなり、まるで茶色く太い帯のように見える。泥まみれの水が
ゆっくりと流れていくさまがよくわかる。
普段は草野球がさかんな河川敷のグラウンドは冠水し、面影はない。

そこから多摩川を離れ、北東へ。東京・渋谷では、ビルの上にあるクレーンが
ポッキリと折れて垂れ下がっていた。強固な金属も台風19号の激しい力に
ほんろうされたのだろう。自然の猛威を前に、文明の脆弱(ぜいじゃく)さを思い知らされる。

ヘリは東京都心の上空を抜け、荒川へ向かった。堤防を越えて、水が広くあふれ出ている。
どこが川だったのか、陸地だったのか、区別がつかない。まるで水がひきかけた干潟のようだった。

ヘリは、埼玉県北西部にある下久保ダムへ。コンクリートの堤の縁ギリギリまで
水がたまっている。まるで茶色の海だ。堤頂部にあるゲートから茶色の水が勢いよくほとばしっていた。