発射台の火災のため、打ち上げが延期されていた日本の宇宙輸送船「こうのとり」8号機を載せた
H2Bロケットは、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、予定どおり「こうのとり」を分離して
打ち上げは成功しました。「こうのとり」は10年前に1号機が打ち上げられて以降、8回の打ち上げすべて
成功したことになります。

「こうのとり」8号機は、当初、今月11日に打ち上げられる予定でしたが、ロケットの発射台で火災が起きて
中止され、打ち上げを行う三菱重工業は、原因究明と対策を講じたとして新たに設定した
25日午前1時5分に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げました。

ロケットは補助エンジンや1段目などを切り離しながら上昇を続け、打ち上げからおよそ15分後の
午前1時20分ごろ、予定どおり高度287キロ付近で「こうのとり」を分離して軌道に投入し、
打ち上げは成功しました。

三菱重工業は火災の原因として、エンジン付近から排出される液体酸素が、発射台の耐熱材に
吹きかかり続けることで静電気が発生した可能性が高いとして、耐熱材をアルミのシートで覆って
静電気が起きない対策などを行いました。

「こうのとり」8号機は全長10メートル、直径4.4メートルで、高度400キロ付近で地球の周りを回っている
国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士の水や食料のほか、電気を供給するバッテリーや大学が
開発した人工衛星などおよそ5.3トンの物資を搭載していて、今月28日に国際宇宙ステーションに
到着する予定です。

「こうのとり」は10年前に1号機が打ち上げられて以降、8回の打ち上げすべて成功したことになります。

打ち上げ後の記者会見で三菱重工業の田村篤俊 打上執行責任者は「発射台の火災は私たちにとって
厳しい出来事で、それだけに打ち上げの成功は素直によかったという思いです。今後に向けて
改善点などを探っていきたいです」と話しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190925/k10012097611000.html