精子の頭に穴、ちぎれた尾……精密検査でわかるように
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190923-00010000-yomidr-sctch&;p=2

左は正常、中央は「空胞」があり、右は尾がちぎれている
https://amd.c.yimg.jp/amd/20190923-00010000-yomidr-001-1-view.jpg
空胞がある精子
https://amd.c.yimg.jp/amd/20190923-00010000-yomidr-002-1-view.jpg

上の3枚の写真をご覧ください。左の写真は正常な精子ですが、
中央の写真では、ほぼすべての精子の頭部に、穴が開いたように見える
「空胞」があります。電子顕微鏡による拡大写真(下)で見るとよくわかりますが、
頭部の黒い部分は染色体が詰まっている部分で、色の薄い空胞部分にはそれがありません。
右の写真はややわかりにくいですが、空胞はないものの、尾がちぎれています。

中央と右の写真は、卵子に精子を1匹注入する顕微授精を繰り返しても
妊娠しなかった夫婦の精子であり、ほぼ全ての精子に同じタイプの異常がありました。
私たちが開発した精子検査によって、
こうした「隠れ造精機能障害」がわかるようになってきたのです。

「あなたの精子では妊娠させられない」
 このような検査結果を見て、夫はがっくりと肩を落とし、
妻は「今まで、こんな精子を卵子に入れていたのですか……」とため息をつくのは酷な話です。
不妊治療クリニックでは、これまで「あなたの奥さんはきっと妊娠できる」と
言われてきたかもしれませんが、実は「あなたの精子では奥さんを妊娠させられない」と
いうのが真実かもしれないのです。