那覇市の公立認定こども園17園中10園で、園児や保育士に提供される給食への異物混入が相次いでいることが2日分かった。
2018年4月から今年7月末までに、市が園側の報告を受けて確認した異物混入は34件で、このうち塗料片など市が健康被害の恐れが高いと判断した「危険物」は4件。
全て同じ民間業者が提供した給食だった。市は園児が実際に口に入れた2件を除き、保護者への説明や公表はしていなかった。(社会部・比嘉桃乃、篠原知恵)
市によると、異物混入は18年度に21件、今年4月から7月末までに13件の報告があった。「危険物」は塗料片のほか、ポリエスチレン片や小バエなど。「非危険物」と判断した異物は、結束バンドの破片(2ミリ×1センチ)やビニールの切れ端(6センチ×1ミリ)などだった。健康被害は確認されていない。
那覇市は公立幼稚園の認定こども園移行を進めており、これに伴って給食が提供されるようになった。
問題の給食を提供しているのは、豊見城市内にある民間の給食センター。
市の委託による提供数が17年度の3園195食分から、18年度は9園511食分、19年度は10園860食分と大幅に増えている。17年度まで異物混入は確認されておらず、市は提供数の急増が異物混入に関係しているとみている。
園や保護者から改善を求める声が相次いでおり、市は対策を急いでいる。本年度にこども園へ移行した5園(1日当たり約800食分)も当初は民間委託を想定していたが、市立保育所給食センター(市与儀)からの提供とした。同社以外での異物混入報告は現時点でないという。
市は18年度から栄養士を同社に派遣。さらに今年7月からはベテランの栄養教諭1人を雇用し、「抜き打ち」で同社を訪問するなど再発防止策を講じている。
同社の代表者は本紙取材に「異物があったのは事実で、園児に大変申し訳ないと感じている。調理行程を見直しながら、市と相談して再発防止に取り組みたい」と述べた。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/465849
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