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中国 武装警察の新たな訓練映像公開
中国軍の指揮下にある中国の武装警察が、警察とともにデモ隊を制圧する大規模な訓練を行ったとする新たな映像が公開されました。
映像は、香港メディアの中国版ツイッター、ウェイボーで公開されたもので、17日、香港に隣接する中国広東省の深センで、中国の武装警察と警察が合同で行ったとしています。
1分間の映像には、武装警察が盾などを持ち、多くの装甲車も出て、棒などを持った暴徒を制圧する訓練の様子が撮影されています。
香港では、政府に対する抗議活動の参加者と警察が激しく衝突する事態が相次いでいて、18日も大規模な抗議集会が行われることから、映像を公開することで抗議活動をけん制するねらいがあるとみられます。

中国の武装警察とは
中国の武装警察は、一般的な警察とは異なる組織で、中国軍である人民解放軍が行っていた役割を引き継ぐ形で、暴動やテロ事件の鎮圧などを担っています。
人民解放軍とは別の組織とされていますが、軍の最高指導機関で習近平国家主席がトップを務める中央軍事委員会の指揮下にあるなど、軍に準じた組織ともいわれます。
武装警察の人員は全国各地に配置され、チベット自治区や新疆ウイグル自治区などで政府への抗議活動を抑え込んできました。
また、海上警備などの役割も担い、沖縄県の尖閣諸島の沖合で、日本の領海への船舶の侵入を繰り返している中国海警局は武装警察の傘下にあります。
30年前の1989年に学生たちが民主化を求めた天安門事件では、人民解放軍が戦車や装甲車などで使って鎮圧し、
国際社会から強い非難を浴びたことから、その後、中国は、国内の治安の回復に主に武装警察を利用するようになったという指摘も出ています。