クルマの運転中、「合流」や「割り込み」の際に、譲ってくれた相手方に対して「ありがとう」の意味でハザードランプを
点灯させる『サンキューハザード』という行為があります。
教習所では教えてくれませんが、クルマを運転する人の間では常識的なマナーとして使われる方が多い行為です。
このサンキューハザードはどのような経緯で一般的に使われるようになったのでしょうか。
本来、「ハザード(hazard)」は、英語で『危険』という意味で、正式名称は『非常点滅表示灯(以下:ハザード)』といい
ます。
基本的に、故障時ややむを得ない場合の路上駐車、クルマがけん引されるときなど、周囲を走行するクルマに対し
て危険を知らせるために使用するものです。
周囲に危険をアピールするという意味では「渋滞最後尾ハザード」や「駐車合図ハザード」の際に使用することは理
解できます。では、「ありがとう」の意味で使用する「サンキューハザード」は、いつ頃から全国的に使われるようにな
ったのでしょうか。
「ありがとう」の意味でハザードランプを使用するようになったのは、1980年代に高速道路上のトラックドライバー同
士の合図として、合言葉や挨拶の代わりに使われるようになったことが始まりです。その合図を一般ドライバーが真
似したことから、全国的に広まったといわれています。
なお、サンキューハザードに代わって相手に感謝を伝えるため、リアガラス部に装着する「ありがとうランプ」という商
品も販売されています。
この商品を販売した経緯について、販売元の(有)プリントアートは、「サンキューハザードは誤解を招く恐れがある
ほか、ハザードランプで挨拶をしなくても違法ではないのに、『挨拶がない』と、トラブルになることの危険性があるた
め商品化をした」と説明しています。
https://kuruma-news.jp/post/167530