もう一つ大きな問題は、糞便性大腸菌による水質汚染だ。東京では生活排水、トイレなどの下水と雨水を1本の管で下水処理場に送る「合流式下水道」を使っている。しかし下水管の処理能力を超える雨が降ると処理場がパンクするため、下水を川に逃がす出口が作られた。その数、700カ所以上になる。

このため、特に夏にゲリラ豪雨が降ると、糞尿を含んだ大量の雨水が下水管から川に流れ出て、処理されないままの糞尿が川から東京湾に流れ込むのだ。これを「オーバーフロー」という。

国の海水浴場基準によると、糞便性大腸菌群の数が100ミリリットル中1000個以下と定められているが、過去の水質調査では58000の数値を計測したこともある。大腸菌やO-157によるパンデミック(伝染病の大量発生)を心配する声も上がる。
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