国交回復後、最悪の日韓関係

日本、韓国ともに、日韓関係の悪化が各メディアで報じられています。
8月2日に日本が安全保障上の輸出管理で優遇措置を取る「グループA(旧・ホワイト国)」から、韓国を外す決定を行いました。
以後、日本製品の不買運動や日韓交流の中止、韓国人観光客の日本旅行取りやめなどが相次いでいます。
さて、外交の専門家でもなく、韓国の専門家でもない私がなぜ、日韓関係に言及しているのか。それは、もちろん、私の専門である就職にも影響が出ているからです。

日本企業と韓国人学生、どちらが損?

では、今後、日韓関係がさらに悪化した場合(素人目にも改善はしそうにないですが)、就職・採用という点で日本企業と韓国人学生、どちらの損失が大きいでしょうか。
日本企業からすれば、韓国人学生の採用によって解消できた人手不足がなくなるのは痛手です。
ただ、ものすごく痛手か、と言えばそこまでではありません。
日本人学生、既卒者の採用や外国人留学生でも他国からの採用を増やせば済むからです。
一方、韓国人学生からすれば、賃金・福利厚生が高く、そして安定している日本企業への就職が閉ざされるのは、大きな痛手となるでしょう。
日本以外の海外就職をするにしても、アメリカは就労ビザが厳しく、ヨーロッパ諸国も同じ。中国は賃金が高いとは言えず、これはアジア諸国も同様です。
米国ではトランプ政権の方針でビザ発給が厳しくなり、中国でも就労後に求人時の条件と違うといったトラブルが相次ぐ。結果として相対的に日本への関心が高まっているという。
産経新聞2019年2月19日朝刊「韓国学生、日本就職を熱望 仕事がない…関係悪化でも後絶たず」

仮に、韓国人学生が日本企業への就職を敬遠するようになった場合、韓国人学生にとって損失が大きいのは明らかです。そして韓国人学生の未来はさらに暗くなりかねない、まさに危機にあるのです。
日韓両国の市民、学生は理性ある行動を
とは言え、私がこの日韓関係悪化にあって、数少ない希望を見出せる点は、日本・韓国、双方の市民、学生とも理性ある行動をとっている点です。
日本では、韓国人観光客に対するヘイト事件は発生していません。
韓国では、韓国人学生が日本企業への就職を回避しよう、という動きは今のところ出ていません。
日本であれ、韓国であれ、対立をさらに煽るかのような言動、行動は見受けられます。が、日韓両国の市民、学生の多くは理性的な行動を選択するでしょうし、また、そうであってほしい、と願います。
特に日本企業への就職という点においては、政府・政治家がどう対立しようと、日本企業・韓国人学生、双方の利益にかなう話です。
今後、日韓関係がどうなるかは不明ですが、就職の専門家としては、韓国人学生の日本企業就職が今後も継続することを願うものであります。そして、この日本企業への就職という点が突破口となり、
日韓関係の正常化につながることもまた願うものであります。https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiwatarireiji/20190807-00137434/