今回は、日本の銀行(邦銀)が韓国に対してどの程度の与信・貸出を行っているかを確認しましょう。韓国の経済が混乱するのであれば、
韓国向けの貸出等で邦銀にも影響が出るかもしれません。

■BIS国際与信統計
まずは韓国向けに邦銀がどの程度の与信(リスクを供与)しているかを確認します。
以下の数値は「BIS国際与信統計の日本分集計結果」として日本銀行が集計したものです。2019年3月基準となります。
なお、「BIS国際与信統計」は、国際決済銀行(Bank for International Settlements、以下、BIS)が、世界の主要31か国・地域に本店を持つ銀行の
国際的な与信状況をグローバル・ベースで取りまとめた四半期統計です。

<BIS国際与信統計(所在地ベース)>
韓国向け 29,867百万米ドル
全世界向け 3,546,626百万米ドル
韓国向け与信は全体の0.8%であり、邦銀の全世界向け与信に比較して韓国向けの割合は小さいと言えます。

<BIS国際与信統計(最終リスクベース)>

韓国向け 57,221百万米ドル
韓国向けのうち、クロスボーダー 33,732百万米ドル
全世界向け 4,384,474百万米ドル
最終リスクベースでも、韓国向け与信は全体の1.3%であり、邦銀の全世界向け与信に比較して韓国向けの割合は小さいと言えます。

■各行の貸出残高
次に国際展開が進んでいるメガバンクの韓国向け「貸出残高」を確認しましょう。いずれも2019年3月末時点となります。

MUFG 4,255億円
海外貸出全体 421,796億円(米国持株会社、タイ現地銀行含む)の1%
三井住友 2,330億円
海外貸出全体 221,205億円の1%
みずほ 7,196億円
海外貸出全体 253,970億円の3%
なお、上記は純粋な貸出残高です。
みずほが韓国向け貸出の残高が多いというところが特徴でしょう。
MUFGとSMFG(三井住友)は問題ない水準と言えます。

いかそ
https://www.financepensionrealestate.work/entry/2019/08/01/210027