【7月22日 AFP】韓国・光州で開催中の第18回世界水泳選手権の競泳で、背泳ぎのスタートに使う装置に不備があり、
イタリアの男子選手が3回のスタートやり直しを強いられる出来事があった。同様の事態は、他の選手にも発生している。
3回やり直しを強いられたのは、イタリアの国内記録保持者シモーネ・サッビオーニで、
同選手は22日に行われた男子100メートル背泳ぎの予選で、
選手が足を乗せる斜めのブロック「レッジ」がスタート時に意図せずにずれ、他選手が泳ぎ続ける中で止まらざるを得なくなった。
その後サッビオーニは1人でレースすることを許可されたが、このときもレッジが外れ、同選手がバランスを崩すトラブルが発生。
結局3回目でようやくきれいなスタートを切ることができたサッビオーニは、大歓声にも後押しされたのか、53秒85でなんとか予選通過の枠に食い込んだ。

サッビオーニは「世界選手権でこんなことが起こるなんて、ただただ信じられない」
「準決勝へ行けたのは良かったけど、こういう状況だから簡単ではまったくなかった」と話した。
スタート装置の不備に悩まされたのはサッビオーニだけではなく、その数分前に同種目の予選に臨んだ

トリニダード・トバゴのディラン・カーターも同様の問題に出くわし、コーチが抗議した結果、こちらも1人で泳ぎ直すことが認められた。
カーターは「レッジが台からずれるなんて初めてだし、機械の故障だ」
「準決勝に行く力があるのは分かっていたから、コーチが抗議した。いろんな選手に起こっていたからね」と話している。
泳ぎ直しが許可されたのはすでに水着を脱いだ後だったというカーターは、
「もう一回泳がせてもらい、そこで最初よりも良い泳ぎをして、準決勝に行けた」と話しながらも、
2回泳がなくてはいけなかったのは「残念」で「不公平」な出来事だったと話している。
「こういうことはあっちゃいけない。何しろ、これは世界選手権なんだ」

他には50メートルと100メートル、200メートルのジュニア世界記録を持っている
ロシアのクリメント・コレスニコフもスタート装置の問題に見舞われたが、こちらはなんとか泳ぎ続け、
サッビオーニに次ぐ14番手のタイムで予選を通過した。(c)AFP

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