政府は4日、韓国に対し、半導体製造などに必要なフッ化水素など3品目の輸出管理について規制強化を
発動した。個別の輸出契約ごとに政府への申請が必要になり、審査に90日程度かかるようになる。
韓国メーカーと取引がある日本の電機産業なども影響が出る可能性がある。

 対象の3品目は、半導体の洗浄に使うフッ化水素のほか、スマートフォンのディスプレーに使われる
フッ化ポリイミド、半導体の基板に塗る感光剤のレジスト。日本が世界で70〜100%近いシェア
(市場占有率)を持ち、サムスングループやLGグループなどの韓国企業も、ほぼ全量を日本から調達している。

 経済産業省は2004年以降、韓国について原則3年間、個別の輸出契約ごとの申請を不要としてきたが、
優遇措置をなくす。今後は、契約ごとに経産省に申請して許可を得る必要がある。許可には
3か月程度かかるという。

 韓国内では、3品目の在庫は1か月程度分しかないとされている。早ければ8月中にも、韓国内で半導体や
有機ELパネルの生産が滞り、これらを主力産業とする韓国経済に打撃となる可能性がある。一方、
韓国メーカー製の有機ELパネルを使うパナソニックやソニーのテレビや、米アップルのスマートフォン
「iPhone(アイフォーン)」などの生産にも影響する恐れもある。

 さらに、政府は、輸出手続きを簡略化する優遇措置を受けられる「ホワイト国」から韓国を除外し、
3品目以外についても個別申請を求めるよう政令改正の手続きに入っている。意見公募を経て、
8月中に改正する方針だ。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20190704-OYT1T50136/