G20サミット開幕を前に来日中の韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は27日夜、大阪市内のホテルで在日韓国人ら約400人を招いて懇談した。
元徴用工問題などで日韓関係が冷え込む中、出席者からは関係改善を求める声が上がり、文氏も「克服していかなければならない」と意欲を示した。

 文氏が大統領就任後、日本で在日韓国人と交流するのは初めて。懇談会は非公開で、青瓦台(大統領府)によると、
文氏は「韓日関係は重要だ。隣国として共存しなければならない。難しい問題が生じているが、両国政府が知恵を集めて克服していかなければならない」と述べた。

 出席者によると、在日本大韓民国民団大阪府地方本部の呉龍浩(オ・ヨンホ)団長が「在日にとって、韓日関係の悪化は生活に及ぼす影響が大きい」と訴え、関係改善を要望した。
文氏は2020年東京五輪・パラリンピックにも触れ、「全力で協力したい」と語ったという。

 元徴用工訴訟を巡って韓国最高裁は昨年10月、日本企業に賠償を命じる判決を言い渡した。
これに対し、日本政府は「日韓請求権協定で賠償問題は解決している」との立場で、サミット期間中の日韓首脳会談開催の見通しも立っていない。【岡崎英遠、堀山明子】

https://mainichi.jp/articles/20190627/k00/00m/040/324000c