引退後、すべてが崩壊した
 若いころから自分は「二度死ぬ」と考えていました。野球人生において、そしてその後の人生においてです。小学3年生でリトルリーグに入ってから41歳で
プロ野球を引退するまでは野球が人生のすべてでした。いざ野球人生を終えてみると、次の人生のスタートをなかなか切ることができませんでした。
それまでがあまりにも野球ばかりで、第二の人生で自分が何をしたいのか、よくわからなかったのです。
 引退後、すべてが崩壊していくようでした。食生活ひとつをとっても、ストイックな摂生から暴飲暴食へと変わり、
糖尿病にまでなってしまいました。心にぽっかり穴があいてしまった気分でした。
 野球をしている時は、チームの…

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