習主席「覇権主義が台頭」と米批判 トランプ大統領に配慮も

中国の習近平国家主席が訪問先のロシアで演説し「覇権主義が台頭している」と述べて、貿易問題で対立する
アメリカのトランプ政権を批判する一方、トランプ大統領のことを「友人」と呼んで今後の交渉に向けて配慮も
示しました。

ロシアを訪問していた中国の習近平国家主席は7日、サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムで
演説しました。

中国外務省によりますと習主席は「グローバル化に逆行した動きや覇権主義、強権政治が台頭している」と述べて、
名指しは避けながらも貿易問題で対立するアメリカのトランプ政権を批判し、各国と連携して多国間の貿易体制を
守る姿勢をアピールしました。

また、アメリカが中国の通信機器大手、ファーウェイへの締めつけを強めていることを念頭に「次世代の通信規格5Gの
技術など、最新の研究成果を各国と分かち合いたい」と述べ、ハイテク分野でも各国と協力する考えを示しました。

一方、習主席は、アメリカとの関係について「完全に切り離されることは想像しにくい。私の友人であるトランプ大統領も
望んでいないだろう」と述べ、トランプ大統領のことを「友人」と呼んで今後の貿易交渉に向けて配慮も示しました。

習主席は今回の訪問で、ロシアと足並みをそろえてアメリカの保護主義的な政策に対抗していく姿勢を示していて、
今月末のG20大阪サミットでもこうした立場を強調するものとみられます。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190608/k10011945711000.html