学校のシンボル「カイヅカイブキ」は親日残滓、一斉伐採の危機 /済州


 韓国全土で「教育系親日残滓(ざんし)清算」作業が行われる中、各地の学校で混乱が起こっている。
左翼系の市民団体「民族問題研究所」が編集した「親日人名辞典」に基づき、
全国教職員労働組合(全教組)や複数の市民団体が「親日派が作った校歌を変更せよ」「記念碑を撤去せよ」などと各学校に要求し、
左翼系の教育監(教育委員会に相当する教育庁のトップ)がこのような動きを後押ししているからだ。

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 済州道議会は全国で初めて学校内における日帝残滓を清算することを定める条例の制定を進めている。
先月30日に済州道議会に提出された「日帝強占期植民残滓清算に関する条例案」によると、
教育監に対して学校内での植民残滓清算に向けた方策を取りまとめることと、実態調査などを行うよう定めている。

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 済州道教育庁が日帝残滓に分類した項目には、日本産のカイヅカイブキも含まれている。

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 光州広域市の光州第一高校は先日から校歌を見直す作業を始めている。
今年に入って光州広域市と光州教育庁が「校歌を作曲した李興烈(イ・フンリョル)氏(1909−80)は親日派」との理由で校歌の見直しを勧告したからだ。
李興烈氏は童謡「島の家の赤ちゃん」や軍歌「チンチャ・サナイ(真の男)」などの作品を残した20世紀を代表する作曲家だが、
日帝末期に軍国歌謡を演奏、伴奏、指揮したとの理由で民族問題研究所が発行した「親日人名辞典」にその名が掲載された。

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 民族問題研究所光州支部はここからさらに踏み込み「校歌だけでなく、親日派の記念碑なども撤去せよ」と要求している。
光州第一高校の校庭には日帝時代の企業経営者だった池正宣(チ・ジョンソン)氏が奨学金を拠出したことに感謝する記念碑があるが、
これを撤去するよう同研究所は要求しているのだ。
民族問題研究所光州支部長は先月フェイスブックに「ああ悲しいかな、李興烈が作曲した校歌だけでなく、親日反民族行為者の記念碑が半世紀以上も校庭にあったとは」と書き込んだ。
その後、複数の関係者が学校側に直接間接の形で碑の撤去を要求し、学校側も対応に苦慮している。
光州第一高校は碑を撤去する代わりに、その人物の功績と過ちを同時に説明する掲示物を設置することなどを検討している。

 釜山の慶南高校も同じような問題に直面している。
民族問題研究所などが2009年、
校内に設置されている同校の初代校長・安竜伯(アン・ヨンベク)氏(1901−77)の胸像を撤去するよう要求を始めたからだ。

民族問題研究所はこれまで数年にわたり学校前で「生徒を売国奴に育てるのか」などと書かれた横断幕を設置し抗議行動を続けてきた。
最終的に学校側は昨年、胸像に安氏の親日行為に関する説明を加えることで問題を終わらせようとした。

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キム・ヨンジュ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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