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「ビール飲み放題は赤字に」ラグビーW杯期間中は中止の動きも

ラグビーワールドカップ日本大会の開幕まで100日余りになりました。海外の
ラグビーファンはビールを多く飲むことで知られていますが、試合会場になっ
ている大分県の飲食店の中には、赤字になるのを避けるため大会期間中の「飲
み放題」を取りやめるところも出ています。

大会の組織委員会によりますと、海外のラグビーファンはビール好きが多く、
4年前のイングランド大会の会場では、サッカーの試合に比べ平均で6倍以上
のビールが消費されたということです。

さらに、ファンの多くは試合の前後も飲み続けるとされ、準々決勝などが行わ
れる大分県の飲食店では、ビールが不足しないようサーバーを増設するなどの
準備を始めています。

一方で、ビールの「飲み放題」サービスの取りやめを決めた店も出ています。

大量に飲まれると赤字になりかねないためで、大分県内で11店舗を営業してい
る飲食店グループでは、2時間1500円からの飲み放題のサービスを大会期間
中にかぎり中止します。

代わりに、ふだんの倍近い大きさのジョッキを用意してビールを味わってもら
うことにしています。

飲食店グループの小野鉄平取締役本部長は「飲み放題は無理ですが、できるだ
け海外から訪れるファンに満足して帰ってもらえるよう努力していきたい」と
話してます。

ビール不足にならないよう対策

大会の組織委員会によりますと、過去のラグビーワールドカップでは、試合当
日に会場近くの多くの飲食店でビールが品切れになったこともあったというこ
とです。

組織委員会ではこうした事態が起きるとファンがSNSなどを通じて不満を発
信し悪い印象が世界に広がりかねないとして、国内の開催都市に対しビールを
中心にアルコールが不足しないよう、準備を呼びかけています。

この大会をきっかけに、外国人観光客を増やしたいと考えている大分県では、
行政もビール対策に乗り出しています。県はビールが不足しないよう大手メー
カーの県内の事業所に対し供給量の確保を要請したり、飲食店に十分な準備を
するよう呼びかけたりしています。

大分県ラグビーワールドカップ2019推進課の秦拓真さんは「街からビールがな
くなると大分を訪れた海外ファンが不満に感じてしまう。実際にビールを提供
するのは飲食店になるが、県としても地元からビールがなくならないよう万全
の体制を取って支援していきたい」と話しています。
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