静岡県の下田沖で船を使って密輸されたとみられる覚醒剤約1トンが見つかり、警視庁などが押収していたことが5日、捜査関係者への取材で分かった。
国内で一度に押収された量として過去最多で、末端価格は約600億円相当という。

警視庁などは5日までに、覚せい剤取締法違反(所持)容疑で、運んでいた20〜40代の中国人の男ら7人を逮捕。
押収量の正確な鑑定を進め、背後に大規模な国際的密輸組織が関わっているとみて捜査を進めている。

捜査関係者によると、海上で船から船へ受け渡しをする「瀬取り」と呼ばれる方法を使ったとみられる。
静岡県内に陸揚げされたのを確認し、3日に7人のうち2人を、4日に他5人を逮捕した。

逮捕容疑は3日、静岡県南伊豆町の海岸で覚醒剤を所持した疑い。7人はいずれも容疑を否認している。

数年前から「不審な船が港に入ってきている」と近所の住民から通報があり、警視庁などが捜査していた。
現場の海岸で張り込み、男らが積み降ろす作業中に取り押さえたという。

警察庁によると、全国の警察が押収した覚醒剤の量は2018年、3年連続で1トンを超え、約1138・6キロ。
今回は年間押収量に匹敵する量となる見込みだ。
過去に大量押収されたケースは、2016年に沖縄・那覇港に停まっていたヨットから発見された597キロが最多。
1999年には福岡県警などが鹿児島県笠沙町(現南さつま市)で564キロを、96年に神奈川県警が528キロを押収した。
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