兵庫県尼崎市で昨年9月、乗用車が標識柱に衝突して炎上し、助手席の女性会社員=当時(18)=が死亡した事件で、女性の両親が運転していた同市の少年(19)や両親らに対し、慰謝料など約9900万円の損害賠償を求めて神戸地裁尼崎支部に提訴していたことが4日、分かった。提訴は5月15日付。

 訴状によると、無免許の少年は昨年9月13日、同市内で車を時速125キロで運転するなどして標識柱に衝突、炎上させ、同乗の女性を死亡させた。自動車運転処罰法違反(無免許過失致死)などの罪に問われ、今年3月、同支部で懲役3年6月以上5年6月以下の不定期刑が言い渡された。

 訴状では、少年が判決言い渡しの翌日に控訴したことに触れ、「その態度から反省はまったく見て取れない。(少年から)被害弁償の申し出は一切なく、無保険の車だったため損害の補てんを受けていない」と訴えている。