ユニセフ=国連児童基金によりますと、妊娠期間中や出産の際に合併症にかかり死亡する女性は、世界で1日に800人に上っており、とりわけ18歳未満で結婚する児童婚が多いアフリカ地域が深刻になっています。

ユニセフが3日に発表した報告書によりますと、妊娠期間中や出産に伴う合併症で死亡する女性の数は、この四半世紀でおよそ40%減ったものの、今でも年間30万人余り、1日当たりにして800人に上るということです。

多くは出産に伴う免疫力の低下によってマラリアやエイズなどの感染症にかかったり、高血圧などによる出血多量が原因だということです。

また、地域的にはサハラ砂漠より南のサブ・サハラ地域がとりわけ深刻だとしています。

その背景について報告書は、18歳未満の結婚、いわゆる児童婚が多いことと関係があると指摘し、10代の女性は成長過程にあるため合併症のリスクが高いことに加えて、医療に十分なお金をかけられないことがあると分析しています。そのうえでユニセフは、各国の政府などに対して、10代の女性や家族が適切なケアを受けられるよう医療や教育体制の充実を訴えています。

ユニセフのフォア事務局長は「私たちは、最も貧しく弱い立場の母親にケアを提供できていない。医療態勢を整えることで多くの命を救うことができるはずだ」とコメントしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190604/k10011940791000.html