「その場で死ぬかもしれませんよ!」……財津和夫71歳がガンから復帰するまで
「もう二度とチューリップのステージに立てないかもしれない、と覚悟した事もありました。
でも今、こうしてまたステージで歌うことができる。それが本当にありがたいし、自分がやれる事はこれなんだなと思います」

 財津和夫さんに大腸がんが見つかったのは2年前のこと。
ちょうどチューリップ45周年記念ツアーの最中で、6月以降に予定されていたコンサートは中止となった。

 回復を願うファンや関係者の祈りが通じ、幸いにして治療は成功。
「下らない冗談も言える程、今は快調です」と、ご本人は笑うが、がんだと知った時の心中は察するに余りある。

「5月末、仕事先の福岡で意識がなくなるほどの腹痛に襲われたんです。救急病院での診断は腸閉塞。
恐らく大腸がんによるものなので、すぐに手術したほうがいいと言われて……。東京に戻ってから手術をしたいと伝えたら、
『飛行機なんかに乗ったら、どうなるかわかりません。その場で死ぬかもしれませんよ!』と強く反対されました。
それを押し切って東京に移動したんです」

 無事に帰京、手術もうまくいったが、その後の抗がん剤治療はつらかったという。
副作用で手足が痺れ、味覚や嗅覚にも影響が。
何も口に入らず、すっかり痩せたが、それでも翌年春にはソロコンサートツアーに復帰した。

「『皆さん抗がん剤治療をやりながら働いておられますよ』と主治医に言われ、そうなのかと。
だけど力は出ないし、足元もおぼつかない。坐ったままなんとか歌いましたが、ギターを持つ手も感覚がなかった。
でも、お客さんは温かく迎えてくれて…。闘病中の励ましにも力をもらいました。
人間はこうやって支えられているのだとしみじみ感じた。だからこそ、絶対に健康になってステージに立ちたいと思ったんです」

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https://www.excite.co.jp/news/article/Bunshun_12124/
財津和夫がガンから復帰するまで 「もうチューリップのステージに立てないかもしれない」