【シンガポール=海谷道隆、中川孝之】米国のシャナハン国防長官代行は5月31日、シンガポールで
中国の魏鳳和ウェイフォンフォー国務委員兼国防相と会談した。

 中国国防省の報道官は、魏氏が台湾問題に関して「中国軍の決心と能力を見くびるべきではない」と
米側に伝えたことを明らかにした。米軍艦艇が台湾海峡の航行を増やすなど、動きを
活発化させていることに対する抗議とみられる。

 米国防総省によると、誤解や判断ミスによる衝突を防ぐ方策や北朝鮮問題での連携について協議した。
シャナハン氏は会談に先立ち、中国による南シナ海の軍事拠点化は「度を越している」と批判しており、
会談で強い懸念を伝えた模様だ。

 両氏は31日開幕の「アジア安全保障会議」(通称・シャングリラ対話)に出席している。日本からは
岩屋防衛相が参加する。岩屋氏とシャナハン氏は6月1日、それぞれ北朝鮮問題とインド太平洋戦略を
主要テーマに演説する。魏氏は2日に演説予定だ。中国国防相の出席は8年ぶりとなる。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190601-OYT1T50114/